1. 渡辺の基礎から受験までとことんわかる英文法(上)(下)

    価格 2.0
    使用感 3.0
    効果 2.0
    価格:
    各1,404円(税込)
    ページ数:
    上巻255ページ・下巻280ページ
    対象スコア:
    初心者~

    「受験を楽しめ!!」—-渡辺勝彦先生の”必須英文法”参考書が名人の授業シリーズに登場。特別付録「志望校合格への鉄則」DVDでは「英文法短期完成・難関大学合格」の秘策を直伝。「過去は忘れろ! あれこれ悩まず、まず始めよう。」

    管理人のレビュー

    この本の内容は、すごく丁寧に学校文法を生徒との対話を通して説明している本です。

    説明はとても丁寧ですが、個人的にはこういった本はもう役割を終えたのではないかと感じてしまいました。

    なぜなら、この本は暗記中心の旧態依然の英文法をただ丁寧に説明をしたものだからです。なので、最近の認知言語学を中心とする英文法(田中茂範先生の表現英文法や大西泰斗先生の一億人の英文法、受験用の参考書だと成川博康先生の成川の深めて解ける!英文法や関正生先生の世界一わかりやすい英文法・語法の特別講座)などを学ばれた人にとっては回りくどくいのに加えて、説明が足りていない感じるところが出てきます。

    例えば、助動詞などは上で上げたような本だと「助動詞は話し手の判断や態度を表す時に使う」という助動詞全体の説明があった後、canは「実現可能性」、mustは「抗いがたい圧力」、mayは「障害妨害物の不存在」、willは「強い意志」、shallは「何かをすることを負っている」等などそれぞれの助動詞が持つコアイメージを明らかにした上で意味を膨らませていきますが、この本はcanの意味は「これとこれとこれ」willの意味は「これとこれとこれ」「さあ、覚えろ」と言った感じで説明がないに等しいです。

    このような「さあ覚えろ」的な説明が本全体を通してかなり多くあります。

    また、意訳が行き過ぎているところが結構あります。。例えば、一番最初のShe smiled at him.を「彼女は彼を見てにっこり笑った。」と訳していますが、彼を見ての見てにっこりはどこから来たのかが不明です。

    この文は「彼女は彼に(向けて)微笑んだ。」ぐらいが正確な訳にはずです。これはsmiledとhimの間にatという一点を表す前置詞が入っているため、smileは彼に対して直接作用していないことになるため、「彼女は彼(という一点に向けて)に微笑んだ(が彼が気づいたかどうか(彼に微笑みが届いたかどうか)は分からない)。」的な意味になります。

    ちなみにsmiledとhimの間に前置詞を入れない場合は、smiledがhimに直接的な働きをします。例えば、She smiled him out of his anger. (彼女の微笑みが彼の怒りを取り去った)などでsmiledがhim(彼)に直接的な作用(しっかりと届いている)ことが分かります。

    このように全体を通して、英文法を納得しながら覚えていくという視点が結構抜けている参考書という評価になってしまいます。単純記憶が優位な中高生にはいいかもしれませんが、論理的な記憶が優位の大人が英文法をやり直す時にこの本を使うのは難しいと言えます。もちろん、中高生にはあまりお薦めはできませんが。

    なので、結論としては、この本をオススメすることは出来ません。

    学生の場合は「成川の深めて解ける!英文法INPUT」を、大人が英文法をやり直すには「成川の「なぜ」がわかる英文法の授業 」や「世界一わかりやすい英文法の授業」から入るのがいいと思います。