1. レキシカル・グラマーへの招待

    価格 3.5
    使用感 4.0
    効果 5.0
    価格:
    1,944円(税込)
    ページ数:
    229ページ
    対象スコア:
    600点~

    「前置詞toと不定詞toの関係は何か」「疑問詞と関係詞はどう関係しているのか」「現在完了形のhaveの役割は何か」等々、英文法への素朴な問いに真正面から取り組んだ意欲作。have,be,to,make,what,which,willなど基本語彙の本質的な意味(コア)を説明原理とし、各々の語彙が関係する文法構文を統一的に解明する。新しい教育英文法の可能性を具体的に示す本書は、英語学習者と英語教師の必携の書である。

    管理人のレビュー

    この本は語彙と文法は相互依存関係があり、語彙に文法情報が含まれているというレキシカルグラマー(レキシコン【語彙】から捉える文法)を紹介した本になっています。

    本の構成は総論編と全体の監修を田中茂範先生が担当し、事例編を佐藤芳明先生が担当されています。

    総論編は前書きみたいな感じで、旧学校英文法の問題点を探り出し、それに対する答えとしてレキシカルグラマーを紹介するという内容になっています。事例編は語彙が持つ本質的な意味(レキシカル・コア・ミーニング)をもとに文法を構築することで、相互に関係のないルールの束としての文法を統一感のある一つのものに統合していく事例が示されています。

    本のイメージとしては大西泰斗先生の「英文法をこわす」にイメージが近いと思います。

    この本が、類書のイメージを扱った文法書と違うのは学術的な解説があることと例外についてもなぜ例外が生じるのかについて、しっかりと解説があることです。他書では例外は気にせずに本質さえ押さえておけばいいというスタンスで無視されることが多いですが、この本では例外についてもしっかりと解説がしてあります。

    例えば、「give BA」は「give A to B」というように書き換えられると教えられているのだが、この条件に当てはまらなかった時、他書ならそれは例外として捉えてほとんど説明がありません。

    しかし、この本は「give BA」は「give A to B」の違いについてしっかりと解説がしてあります。詳細な説明はこの本に任せますが、要約して説明すると、まず、レキシカルグラマーでは「形が違えば意味が違う」という大原則からスタートします。

    例えば、I gave him some money.(私は彼にいくらかのお金を上げた)とI gave some money to him.を比べた場合、I gave him some money.の場合は「彼」に「お金」が渡っていますが、I gave some money to him.の場合はto(向けて)という前置詞があるため、「私はお金を彼に差し出した(しかし、彼が受け取ったかどうかは分からない。)」という意味になります。

    そして、このときにポイントになるのがこの「A」の部分例文では「some money」が受け渡し可能である必要があります。なので、she always gives me a headache.(彼女はいつも私に頭痛を与えます。[分かりやすくするために直訳])という文において頭痛などは受け渡しが出来ないので、she always gives a headache to me.のような頭痛を私に向けて差し出すといったような文は成立しなくなるというような説明がされています(正確な説明は本書35ページをご覧ください)。

    このように他書では無視されがちな例外にもしっかりと突っ込んで説明がしてあります。

    この本はあくまでもレキシカル・グラマーへの招待であり、全ての文法事項を網羅している訳ではないですが、文法の重要事項については一通りの解説があります。

    私はこの本に感銘を受けて英語を勉強し続けていますが、もしこの本を学生時代に読んでいたなら間違いなく英文科に進み、英語を研究していたと思います。それぐらいの青天の霹靂をもたらしてくる名著です。

    英語を学んでいる全ての人にオススメできる本です。

     

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