本書「学校では教えてくれない!英文法の新常識」が楽天の語学・学習参考書部門の第3位になっていたのであまり目次や中身を検索することなく買ってみた。

「学校では教えてくれない」というワードは今では数多くの英語の参考書のタイトルやコンセプトになっている。大西泰斗先生の初期の頃を著書でも学校英語と自身の英文法(ネイティブ視点の英文法)との対比に使われていたし、関正生の著書でも学校英文法との対比がある。

しかし、それはすべて10年以上前のことである。

この本(英文法の新常識)は、学校英語と最新の英文法との比較によって話が進んでいくが、例としてあげられている学校英文法が古すぎて全く対比になっていない。

例えば、『英語で「はじめまして」を学校英語では「How do you do?」と習ったかもしれないがこれは絶滅した英語で現在では、「Nice to meet you.」という』といような「学校でも《はじめまして》は最初から《Nice to meet you.》とならったなぁ」というようにいつの時代の英文法と比べているのか謎の記述が多い。

この他にも『「be going to」と「will」の違い』や『「have to」と「must」との違い』、『「used to」と「would」の違い』等々・・・よほど英語教育を放棄している学校でない限り今ではしっかりと教えているし、また最近の英文法の参考書をみればすべて載っているものです。

そもそもこの本の冒頭の例で『1990年代の参考書にこのように書かれているが』というように対比対象が30年前の参考書であることが伺える。また巻末の参考文献においても自身が関わった著作を除けば、最新のものでも2000年前後のものがほとんどで、それ以降のものは論文に近い参考書(一般的な英語学習は通常読まない堅い参考書)がほとんです。

はっきりと言ってしまえば、大西泰斗先生や田中茂範先生が1990年代あたりから紹介している内容であるし、2000年代に入ってからは関正生先生や成川博康先生などが受験英語としても紹介している内容です。

もちろん、内容が同じ項目を扱っていたとしても何らかの新規性や説明の明快さやわかりやすさがあれば、この本は評価できることになります。実際、「イメージでつかむ 似ている英語使い分けBOOK」などは高く評価されていますし。

ただ、個人的にはこの本はそこまでの内容の良さを感じることができませんでした。明確な説明は難しいのですが、大西泰斗先生や関正生のようなフランクでスッパっと切ってしまうような説明や田中茂範先生のような徹底した論旨もあまり感じられず、ただ、ひたすら丁寧に違いを説明しているだけだったからだと思います(もちろん、それはそれですばらしいこです)。

最終的な感想としては、これらの参考書(ネイティブ視点から解説しているもの)を読んだことがない人にはおすすめできますが、それ以外の人は先に上げた先生の著書をオススメします。