TOEICのリーディングで音読を取り入れようという記事を見たいのですが、TOEICのリーディングの勉強に音読は必要ですか?
英語の学習において音読(シャドーイングやオーバーラッピング、リピーティング含む)は絶対に必要です。しかし、TOEICのリーディングの学習において音読は必ずしも必要ではないと考えています。

そもそも音読というのはスピーキングを鍛えるためのものであって、リーディングの力を鍛えるものではありません。また、TOEICのリーディングのような事務的なメールや記事・広告などを音読したところで大した効果はありません。

音読をするなら、チャップリンの独裁者のラストの演説やエミール・ゾラのドレフュス事件の演説、マッカーサーの退任演説、最近では、オバマ大統領の就任・退任演説、トランプ大統領の演説、名文と言われるバートランド・ラッセルの「幸福論」、ウォルト・ホイットマンの「O Captain! My Captain!」、新渡戸稲造の「武士道」、岡倉覚三の「茶の本」など声に出してに値する英文はいくらでもあります。そして、これらの名演説や名文は英語学習において確実に血となり肉となります。

話が少しそれましたが、TOEICのリーディングにおいて音読をすすめる本では、音読をすることによって返り読みの癖がなくなり、英文を読むスピードが速くなるという理論が大半を占めていましたが、はっきり言ってこれは間違いです。

言語の生得的な習得はクリティカルエイジ(10歳前後)までが可能であって、それ以上の年齢になってからの言語の習得はその言語を母国語とする人々が無意識に行っている頭の使い方を意識に一度上げてからもう一度それを無意識に落とし込むといった作業が必要となります。

これは車の運転に酷似しており、自動車教習所では実際に運転している人のメカニズムを意識的に出してきたプロセス(運転の技法)を徹底的に学ぶことによって、最初は意識しないとできなかったクラッチの力の入れ具合やギアチェンジなどが意識しなくても出来るようにます。

このように英文読解においても、ネイティブの頭の働かせ方を体系化したもの(英文解釈の技法【返り読み】)を徹底的することによって、自然と返り読みせずとも英文がスラスラと読めるようになるのであって、そのプロセスを音読によって飛ばすことは出来ないとといえます。

では、音読は何ために必要かというと一番はやはり英語を話す脳と聴くための脳を鍛えることである。

特にシャドーイングやリピーティングはワーキングメモリ(情報を一時的に保存する領域)の拡張に非常に効果があり、TOEICのリスニングを伸ばすには最適な訓練になります。※もちろん、これらは発音練習を終えてから取り組むのが正しい。

少し話がそれましたが、TOEICのリーディングのスコアを上げることだけを考えた場合、音読は必ずしも必要というわけではありません。英文を速読するためには語彙や英文解釈能力のほうが必要となります。