このサイトでは解答テクニックは必須としてきましたが、TOEICが新形式に移行し、解答テクニックにも少し問題点が出てきました。
なので解答テクニック問題点ついてこのページでは少し書いておきたいと思います。
解答テクニックの問題点
解答テクニックに一番の問題点は正解率の低下です。
PART5の解答テクニックに
「まず選択肢を確認し、品詞問題なら空欄の前後だけを読んで解き、文脈問題なら最初から読んで解く」
と言うものがあります。
以前はこの解答テクニックは非常に有効でしたが、新形式に移行しこの解答テクニックの価値はだいぶ薄れました。
その理由は「トップページ」でも少し書きましたが、従来の文法問題の変化にあります。
これまで、品詞問題は空欄に入る品詞が分かれば解けるものでしたが、最近では品詞が分かっても選択肢が絞りきれないという問題が増えてきています。
例えば次のような問題です。
You must get help from a (—–) person to enable you to meet the deadline.
(A)competent
(B)competitive
(C)competition
(D)competitively
この問題を解答テクニックを使って解くと、
- 選択肢を見る
- 品詞問題だと認識
- 空欄の前後を確認
- 冠詞「a」と名詞「person」に挟まれているから形容詞が入ると断定
- 形容詞は(A)competent(有能な)と(B)competitive(競争力のある)の二つある
- 本文を読んで(A)competent(有能な)を選択
というプロセスを踏まなければならない。
以前は空所の前後を確認し、形容詞が入ると分かればすぐに答えが出たが、新形式では上の問題のように空欄に入る品詞が分かっても同じ品詞が選択肢に入っている問題が増え、結局は本文を読まなければいけなくなった。
なので、新形式の試験では初めから本文を読むことをおすすめします。
具体的には、空欄の所まで読んで、選択肢を確認、答えが分かったら回答し分からなければ最後まで読んで回答するという方法を取りましょう。
こちらのほうが文法が難化し語彙問題が増えた新形式では読む量を少なくすることができ、結果的に時間短縮につながります。
【補足】(上の問題の詳細解説)
You must get help from a competent person to enable you to meet the deadline.
まず、この文の主語はYou(あなた)になります。
そして、must(~しなければならない)は助動詞。mustの本質的な意味は「抗いがたい力が働いてそれ以外に選択肢がない」ということ。
助動詞は正式には法助動詞と言われ話し手の心的態度を表す動詞の語形変化のことをいうので「それ以外に選択肢がないという強い意志」ともとれる。
他人に対して使う場合は、好意的なmustと言われ「ぜひ(何としても)~すべき」という強いオススメになる。
この文では、「なんとしても助けを得るべき」という使い方。
getは動詞で、「(変化によって)ある状態にする・なる」という意味。ここでは助けがない状態から助けがある状態への変化の意味合いがある。
helpは名詞で「助け・援助」の意味。
文の骨格はここまでだが以下も文の必須要素。
fromは前置詞で「~から」という意味で、本質的には「起点」を表す。本文では有能な人(適格者、しかるべき人物)を起点としてその人の中から「援助」を取り出すというイメージ。
aは冠詞で、単一化が可能な場合で一つのものを表す語。簡単に言うと同じ種類の中から一つという意味。
この文の場合は、有能な人というカテゴリーの中から誰でもいいから(話者と聞き手に共通の人物が浮かぶわけではないけど)一人を取り出すという意味になる。
competentは形容詞で「有能な、能力のある、適格な」という意味で次のpersonを修飾している。
personは名詞で「人」。
ここまでが文の必須要素で以下は単なる修飾。
まず、toは不定詞で「指し示す」というイメージ。ここでは「You must get help from a competent person(あなたは然るべき人に助けを求めるべき)」という文に対して、「なぜ助けが必要なのか」という内容を示している。
enableは動詞で「可能にする」という意味。enable+人+to ~で「人が~を出来るようにする。」という意味になる。
youはenableの目的語。
meet the deadlineは「締切に間に合う」という意味でTOEICの最重要フレーズ。
meetの本質的な意味は、「(動かして)二つの物を合わせる」という意味。
ここでは締切に課題や提出物を何とかして(動かして)締め切り合わせるということ。
theは冠詞で「一つに決まるという」意味。具体的には話し者と聞き手の頭の中で思い浮かべたものが同じになるということ。
deadline「締め切り」は名詞でmeetの目的語。
最後に全文を訳すと、「あなたは然るべき人に助けをもらって何としても期日に間に合うようにすべきである。」という意味になります。