TOEICの文法を学ぶ上で覚えておかなければならないことは、「TOEICには難しい文法問題は絶対に出ない」ということです。

TOEICはビジネスシーンでのコミュニケーションを図るためのテストで米国のETSという非営利Test開発期間によって作られています。なので、基本的に日常のビジネスで使わないような難しい文法が出ることは絶対にありません。

日常のビジネスで使われる文法とはどのぐらいのレベルかというと、中学英語+高校基礎までの文法です。

なので繰り返しになりますが、TOEICで出題されるのは実際のビジネスの現場や日常生活において使われる文法であり、それ以上の難しい文法問題が出ることは絶対にありません。

※一見難しく見える文法問題も簡単な文法を組み合わせて出題されているだけで、大学受験のような日常でめったに使われな文法が出るわけではありません。

TOEICの文法問題が難しく感じられる理由

TOEICの文法問題は普段のビジネスで使われる文法ばかりなのに、なぜ難しく感じられるのでしょうか?

その理由は、とっても簡単で“修飾が多い”からです。

例を上げて説明します。

1.Tax forms for state and federal income tax returns (———) available at public libraries from now until the end of the month.

(A)is
(B)are
(C)was
(D)were

引用元:新TOEIC TEST文法・語彙問題秒速解答法 全問図解

上の問題は典型的TOEICの問題です。

一見するとかなり難しい問題と思われるかもしれませんが、そうではありません。

この問題の英文の構造を次の簡単なルールに基づいて整理します。

  • 前置詞のついていない最初の名詞が主語になる。⇒で表示
  • <前置詞+名詞>は修飾語句になる。⇒で表示
  • 時制の一致。⇒時制に関連する語句をオレンジで表示

すると次のようになります。

1.Tax forms for state and federal income tax returns (———) available at public libraries from now until the end of the month.

ここから修飾語句を取り除ききます。

すると、

1.Tax forms (———) available from now until the end of the month..
(A)is
(B)are
(C)was
(D)were

というふうになります。

ここまで来ると、中学生でも解答することが出来ます。

Tax formsが複数形なので、(B)areか(D)wereになります。そして、from now(今から)という現在を表す語句があるので(B)が正解になります。

大切なのはこの問題で問われている文法は、主語と述語の一致と時制の一致といった中学生で習う内容だということです。しかし、income tax returns(所得申告書)といった難しい修飾語句を付け加える事によって、問題の難易度を上げています。そして、TOEICはこのような修飾語句を使って問題の難易度を上げているものがほとんどです。

なので、TOEICの文法学習においては、まず、基礎的な英文法(中学校で習う英文法+高校基礎)をしっかりと押さえた後、英文構造を理解する勉強する必要があります。

TOEICの英文法の基礎を身につける参考書

TOEICのための文法の基礎を身につけるには分厚い参考書や大量の参考書を読む必要はありません。

前述したとおり、TOEICでは文を様々な修飾をすることによって難しくしているので、基礎段階では最小限の文法知識さえ入れておけば十分に対応することが出来るからです。

以下におすすめの参考書を載せておきますので、好きなもの(自分にあったもの)を2・3冊読み飛ばしていただければ基礎は完成します。

高校の英文法が1冊でしっかりわかる本

一冊目は「高校の英文法が1冊でしっかりわかる本」です。

この本は、高校英文法の最重要なところだけをルールとイメージを使って懇切丁寧に説明がされています。

レイアウトが素晴らしいのとイメージを使った英文法書でありがちな説明が冗長になることなく、すごくシンプルな構成になっているのでサクサクと必要な英文法を身につけることが出来ます。

また、高校英文法と書いてありますが、基礎的なことも説明がきちんとしてあり初学者の人でも挫折することがないな作りになっています。

そして、なによりたったの164ページで一通りの英文法が学べるようになっているは本当にありがたいです。

ただ、サイズが大きいので電車の中な通勤通学中に読めないのが玉に瑕です。

世界一わかりやすい英文法の授業

二冊目は、「カラー改訂版 世界一わかりやすい英文法の授業」です。

超ロングセラーの定番中の定番ですが、やっぱりこの本はわかりやすいです。

偉人の名言を使うなど大人が勉強するにしても耐えられる内容なのに加えて、脱丸暗記を掲げてそれぞれの項目の文法項目が持つイメージをしっかりと説明してくれています。

中学英語はある程度できている前提なので、中学英語が怪しい方は同じ著者の「カラー改訂版 世界一わかりやすい中学英語の授業」と一緒に使えばしっかりとした基礎が身につけられます。

成川の「なぜ」がわかる英文法の授業

三冊目は「成川の「なぜ」がわかる英文法の授業」。

こちらの本も基礎本的なコンセプトは上記2冊と同じですが、より項目を絞ってエッセンスをしっかりと説明した感じになっています。

イメージを伝えやすい時制などから始めずにしっかりと文型の説明から入っているあたりは好感を持てます。

この本は、大学受験性が「成川の深めて解ける!英文法INPUT」に入る前に英文法を俯瞰するための本という位置づけになっているので、細かいところまでは踏み込んでいませんが、それでもTOEIC用の基礎を身につけるには十分です。

英文読解入門基本はここだ!改訂版

最後は「英文読解入門基本はここだ!改訂版」です。

この本を英文の構造を掴む事に徹底して紙面を割いた本で、TOEICで必要な英文の基本構造をしっかりと学ぶことができます。

上記の本に比べて、難易度がグ~ンと上がっている(説明が硬い)ので難しく感じるかもしれませんが、TOEIC攻略の最重要参考書なのでしっかりと完璧にしましょう。

TOEICで英文解釈を勉強する意味

TOEICの参考書や勉強方に関する記事を読んでいるとTOEICで英文解釈を勉強する意味はないとする意見をよく見かけます。その理由として、TOEICでは複雑な文章は出ないし、和訳することはないからだそうです。しかし、これらは完全に間違っています。TOEICでも倒置構文などの複雑な文章は所々出題されていますし、英文解釈をしっかりとやると和訳せずに早く読むことが出来るようになります。また、part5・6の文法問題も瞬殺出来るようなります。これは当たり前のことで、英文の構造が分かれば瞬時に意味がつかめるので和訳の必要はなくなりますし、構造が分かれば文法問題の答えはすぐに分かります。結論を言うと、英文解釈は極めて大切だということです。

TOEICの英文法の基礎を身につける参考書の使い方

ではいよいよ上記の参考書の使い方を紹介します。

それは

間を置かずに(短期間の間に)10回繰り返し読む

というだけです。

つまり、一度参考書を読み終えた後、すぐにもう一度繰り返し読み、合計で10回再読するということです。もっと正確言うなれば、1週間以内に10周するということです。

そのために2冊とも薄い参考書を選んでいます。

高次脳機能外来を設立者の築山節さんは、「脳が冴える勉強法」の中で、

高校時代にどうしても勉強で勝てない人がいたそうで、その彼にどうやって勉強をしているか聞いたところ、「教科書を繰り返し、13回繰り返し勉強する」との答えが帰ってきた。

(一部省略・編集して引用)

と書いており、その勉強法の有効性を脳科学の見地から考察しており、さらに反復するときはできるだけ間隔を開けないようにするようにとアドバイスされています。

また、東京大学卒で数多くの小説や実用書を執筆している若桜木虔は、「1日15分の速読トレーニング術」の中で速臆術について、

記憶力のいい人と差が開かないようにするためには、どうしたらいいか。覚えようとは考えず、ひたすら10回、間を置かずに繰り返し読み返すのである。

と書かれています。

どちらの著者も短期間での反復を薦めています。

この2冊を反復する意味としては、基礎的な英語の事項にエネルギーを使わないようにするためです。

TOEICは時間のない試験のため、悩んでいる時間は殆どありません。特に最後のPart7のリーディングは本当に時間との戦いです。

そのためにはいちいち英文の構造を考えていては時間切れになるのが目に見えています。そうならないためにも基礎的な英文法と英文解釈は無意識レベルで出来るようになっている必要があるのです。

そして、そのための勉強法が上で上げた、

1週間以内に10周する

ということになります。

まとめ

文法や読解の基礎が出来ていないとスコアは必ず頭打ちになります。

この段階では直接的なTOEICの対策ではないため、少し退屈に思えるかもしれませんが、序盤に文法をしっかりと理解できるかどうかが、今後のスコアの伸びに大きく影響していきますのでしっかりとこなしましょう。


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