「TOEICのリーディングって難しいなぁ」
「リスニングはなんとかなるけど、リーディングは・・・」
「TOEICを時間内に解き終わることができない・・・」
あなたもこんな悩みを持ってませんか?
たしかに、2016年5月の大幅な改変以降、リーディングは英文の難化や長文化が進んでおり、単語が分からない・時間内に解き終わらないといったように思っている方も大幅に増えています。
また、英検1級レベル(savvyやmural、clientele等々)の単語が問題文や選択肢に配置されるなどTOEICのリーディングで出題される単語のレベルは確実に上がってきています。
以下の表をご覧ください。
リスニングとリーディングの比較
リスニング | リーディング | トータル | |
---|---|---|---|
第225回 | 317.4 | 259.7 | 577.0 |
第226回 | 325.7 | 261.6 | 587.2 |
第227回 | 327.0 | 262.3 | 589.3 |
第228回 | 315.1 | 254.1 | 569.2 |
第229回 | 314.8 | 261.1 | 575.8 |
この表は最近のTOEICの平均スコアを表したものですが、軒並みリーディングの点数がリスニングに比べて低いのが分かっていただけると思います(毎回50点近く低いですね)。
なぜこんなにリスニングとリーディングで点数が開いているのでしょうか?
その理由は3つあります。
TOEICの独自の採点システム
まず、一つ目の理由はTOEICの独自の採点システムにあります。
TOEICのリスニングは10問ぐらい間違えても満点になることがありますが、リーディングは10問ほど間違えた場合、最大440点になってしまいます(TOEIC公式問題集のスコア換算表より)。
これは英語力に変化がない限り、スコアが変わらないようにするための過去の膨大なデータをもとに統計処理を行っているため、リスニングのほうが間違いが多くても得点が高くなるようになっていると推測されています。
問題の難化
次に問題の難化です。
問題の難化には以下の様なものがあります。
ビジネス語彙問題の増加
TOEICは改編以降、より一層ビジネス英語を重視するようになっています。なので、英語力があってもビジネス英語が分かっていないと解けない問題が増えています。
例えば、assumeという単語は学校(受験)英語では【仮定する・推測する】という意味で出題されますが、TOEIC(ビジネス英語)では、assume for any damages(いかなる損害に対しても責任を負う)など【引き受ける】という意味で出題されています。
このように単語もビジネスで使われる意味を知っていないと解答できないものがいくつも出題されています。
また、解答に直接的には関係のないものであっても、パート7の読解問題に「mural(壁画)」などのかなり難し目の単語が普通に使われるようになってきており、単語力の底上げはスコアアップに不可欠のものになってきています。
語法問題の増加
改変以降は以前に比べて、ビジネス英語に関連した語法問題も増えています。
頻出の語法問題としては、assureとensureの使い分けです。assureは「assure + 人 + of」もしくは「assure + 人 + that節」という使い方をしますが、ensureは「ensure + (人) + 目的語 」もしくは「 ensure + that節」という風に人を目的語に取らないで使うことができます。
特にTOEICでは(—–) that SVという形でensureを入れる問題をよく見かけます。
もちろん、assureを入れる問題も出ています。
この他にもreopenとresumeの使い分けなど細かい語法問題が実際に出題されています。
従来の文法問題の変化
この他にも比較的に簡単だった純粋な文法問題にも変化があました。
これまでは品詞問題は空欄に入る品詞が分かれば解けるという問題が多かったのですが、最近では、品詞が分かってもその空欄に入る単語が2つある場合や見分けるのが難しい品詞の単語が選択肢にある場合が増えています(例えば、friendly、timely、costlyなどは一見副詞に見えますがすべて形容詞です )。
ただ、問題文は従来より短くなっており、英文法をしっかりと理解し、出題のポイントをおさて於けば、従来より速く解けるようになっています。
英文の長文化
最後に、英文の長文化です。
TOEICのリーディングの英文はリスニングの英文に比べて語彙のレベルが高く、英検1級レベルの単語が出題されるということも増えているのに加えて、読む量も格段に増加しています。
特にシングルパッセージの最後の方の問題やダブルパッセージ、トリプルパッセージの最終問題などはかなりの長文となりました。
なので、何度も繰り返し読む時間はなく、効率よく問題を処理していかないと最後まで解き終えることが出来ない様になってきています。
問題を解くための解答テクニックはもちろんのこと、大量の英文を読み続けることのできる体力を付けることも非常に大切になります。
まとめ
このようにTOEICは去年の改変だけでなく、より実践的なビジネスでのコミュニケーション能力を測定するテストにしようと、年々難しくなっており、これまでどおりの対策では追いつかなくなってきていることはもはや言うまでもありません。
はっきり言って、数年前のテストとは難易度は別物と言っていいぐらい変化しています。